デニムを色落ちさせる方法

デニム独特の加工

デニム(ジーンズ)は日本での登場当初、インディゴ染めのきれいなデニムをそのまま保とうとする傾向の方が強かったとされています。色落ちや不格好な皺ができるのを特に嫌う人などは洗濯しないこともあったそうです。

 

当然ながら洗濯しなければズボンに脚の皮脂が付いてカビの発生などかなり不衛生で、デニム生地自体も傷んで強度が落ちたりしていました。

 

そこで結局洗濯するのですが、当時はそれでも少しでも色落ちを防ぐために、洗濯石鹸や中性洗剤を使用する人も結構いたようです。

 

このデニムの色落ち現象というのは、洗濯が一番の原因ではなく、いわゆる「アタリ」によるものが大きいのですが、こうした知識は後から認知されていきました。

 

しかし、時代は次第に移り変わっていき、いつの間にか時間をかけて使い込んだ独自の雰囲気の方がカッコいいというファッションが入り込んできたのです。

 

今でこそよく使われる「アタリ」という言葉ですが、これはデニム素材の腿、膝、ヒップ、裾など特に生地が厚くなった部分の色落ちや擦れを差しています。

 

裾部分の「アタリ」は裾始末のシングルステッチでは縦ジワ状になり、チェーンステッチでは斜めになり、性格が異なって見えます。

 

こうしてデニムの色落ち現象は今やファッションの要素として当たり前になったわけで、新品で購入した時からこうした状態にしてあるのが、いわゆるウォッシュ加工と呼ばれているものです。

 

単なる色落ちに加えて、「ダメージ加工」も一般的になりました。その元祖的存在が「ストーンウォッシュ加工」で、デニムのユーズド加工の原点にもなっています。

 

ちなみにデニムは生地の種類のことで、厚くザラザラした色落ちしやすい生地であり、ジーンズはこのデニム生地を使ったズボンのことです。これを案外混同している人が結構います。